プロ向けラインは座標メモではなく、tick サンプリングと法線・マップ revision に縛られた動的契約。版が変われば release 位相とバウンス順もずれ、入力の筋肉記憶だけではサイト timing を守れない。
リード
デフォルトラインはスプレッドシートに貼れる静的座標ではない。サーバー上では ロール減衰チェーン として毎 tick、接触法線、マテリアルフラグのたびに着地点が書き換わる。見た目はメッシュ微調整の patch でも、梁上の二次屈折角、段差の摩擦段、prop コリジョン厚が変わっていることがある。同じキー長で投げても、落ちる場所だけがサイド外に滑る。
切り捨て点:release 遅延と「もう離した」錯覚
CS2 では見える弧とサーバーが裁定する弧が常に同じ時間軸とは限らない。クライアントは入力末尾で予測補間し、跟手性を取る。ストレイフ終端、しゃがみ遷移、武器切替と同フレームのリリースでは、切り捨て点(release がサーバーでサンプルされる tick)が、目で感じた離鍵より半拍〜一拍遅れる。
Mirage の窓煙、Ancient のホール入口火のように「歩数 + ジャンプ投げ/左クリック」で形を決めたラインを旧版の歩数表のまま使うと、外し全開より 一タイル差 が典型になる。煙が窓縁を擦って転がる、火が枠内縁でもう一回跳ねる。VOD ではミスクリック扱いになりがちだが、実態は 位相表が版スタンプと未同期——同じキーでも patch 後は release 窓が変わる。
ノートは 歩数(位移) と 照準アンカー(release 前の pitch/yaw 安定) を分けて記録する。歩数だけのページは sub-tick 変更で一括失効する。
バウンスチェーン:法線反転と prop の静かな書き換え
デフォルト煙の署名は初弾より 二弾目・三弾目。初接触が大方向、小角の続きが壁沿い停止、穴へ転がり、段差で止まるかを決める。
パッチノートに「この箱 friction 0.4→0.6」とは出ない。コリジョンメッシュ、prop インスタンス、interior/exterior タグが変わると bounce chain の順序が入れ替わる。以前は二次接触後に壁沿いで沈んでいた煙が、微跳ね上がり CT に足元が見える。Inferno バナナの旋回、Anubis 坂口など 転がりで角を食う ラインが最初に効く。
版更新後の再grind は怠慢ではない。入力列は再現できるが、サーバー上のマテリアル応答は再現できない。 旧 demo を教科書にすると、見た目は同じで法線だけ半マス動いた prop を見落とす。
練習サーバの弧と競技マッチ:偽の一条弧で筋肉を固定しない
sv_cheats、固定 tick、簡略コリジョンのカスタムで筋肉記憶を固め、ランクで「同じバインドなのに着点が違う」が起きる。prop 集合の不足、投擲物とプレイヤーの衝突順序の差、latency による release サンプルずれが定番。
各ページに 版スタンプ + マップ revision を付け、「競技マッチ実測・同 ping 帯・同ジャンプバインド」と書く。「2024 年某配信者の点」は根拠にしない。C5GAME や Steam コミュニティの GIF は視覚参考に留め、現行 competitive で 転がり二拍目 が旧位置に残るか必ず再検証する。
まとめ
軌道・バウンス・デフォルトラインは、エンジンサンプリングとマップコリジョンに縛られた動的契約だ。patch 後の再調整は時間の無駄ではなく、切り捨て点・バウンスチェーン・環境一致 の三軸を揃え直す作業。守れるのはキーの筋肉だけになり、失うのは煙が買っていた timing の半拍になる。