MOUZもFalconsもフラッシュピークという取引をやっているが、帳簿の付け方がまるで違う。片方は偽の選択肢を売り、片方は時間税を徴収する。二つの帳簿がぶつかったとき、どちらが先に崩れるのか。
フラッシュピークは「フラッシュを投げてから飛び出す」ことじゃない。それは野良のやり方だ。プロの手にかかれば、フラッシュピークは一つの取引になる。フラッシュ1.5秒の白画面と引き換えに、相手のクロスヘアが壁へ流れる一瞬を買う。MOUZもFalconsもこの取引をやっているが、帳簿の通貨がまったく違う。
一、MOUZ:フラッシュは囮、ピークは二拍目
MOUZのフラッシュピークには直感に反する点がある。最初に飛び出す人間は、たいていキルを取る人間じゃない。
AncientのBランプを見てほしい。トンネル入口の上でフラッシュが弾け、先頭の選手が飛び出して二発だけ撃って引く。撃たないことさえある。この二発の目的はキルじゃない。ディフェンダーのクロスヘアを「プリエイム位置」から「動くターゲット」へ引っ張り出すことだ。白がまだ明けないうちに、二人目が別角度から飛び出す。相手のクロスヘアはまだ一人目の残像を追っている。
この取引の肝は「クロスヘアの慣性」だ。白を食らった人間は、最後に見たターゲットの方向へマウスを振る。MOUZの最初のピークは、そのフリックに座標を与えるためにある。二拍目が食べるのは、フリック後の戻しウィンドウ。だいたい0.2〜0.3秒で、AKが有効弾を二発撃つには足りる。
つまりMOUZの帳簿では、最初のピークの弾はコスト、二拍目のキルが利益だ。最初のピークが空振りするのは怖くない。怖いのは「本物すぎる」こと。相手が素直に撃ち抜いてくるほど本物に見えたら終わりだ。最初のピークは「撃ちに行きそう」でなければならず、「本当に撃ちに行く」必要はない。
二、Falcons:フラッシュは時間税、ピークは家賃回収
Falconsはもっと硬い。彼らのフラッシュピークはクロスヘアを騙さない。意思決定の時間を圧縮する。
同じBランプで、Falconsのフラッシュはもっと深く弾ける。トンネル入口ではなく、サイトの柱の裏だ。このフラッシュは先頭を白くしない。トレード位置を白くする。そして先頭が全速で飛び出し、引かずに撃ち合う。
無謀に見えるが計算されている。Falconsが賭けているのは、ディフェンダーは白を食らった直後、撃つより先にコールを出すという人間の反射だ。コールには0.5秒かかる。その0.5秒でFalconsの先頭はもう顔の前にいる。トレード位置の白が明けてクロスヘアが戻る頃には、正面の勝負は終わっている。
Falconsの帳簿では、フラッシュは囮じゃない。「時間税」だ。こちらの意思決定を0.5秒遅らせ、その0.5秒で当たらないかもしれない盲撃ちを打たせる。大半のチームはコールを選ぶ。盲撃ちの期待値が低すぎるからだ。Falconsはその「合理的な選択」に食いついている。
三、二つの帳簿がぶつかったとき、どちらが先に崩れるか
MOUZ対Falcons、フラッシュピーク対フラッシュピーク。見どころはエイムの強さじゃない。どちらが先に帳簿を書き換えさせられるかだ。
MOUZが怖いのは、Falconsが最初のピークを追ってこないこと。Falconsの先頭が引かなければ、MOUZの囮はクロスヘアを騙せず、二拍目はただの撃ち合いになる。Falconsが怖いのは、MOUZがコールを出さないこと。MOUZのトレード位置はコールなしでそのままピークし返すことが多く、Falconsの0.5秒の時間税が徴収できなくなる。
だからこの二チームが当たると、中盤に奇妙な膠着が生まれる。フラッシュは投げたのに、どちらも飛び出さない。臆病じゃない。どちらも相手に「最初のピーク」のコストを先に払わせようと待っている。先に飛び出した方が、自分がどちらの帳簿で動いているかを晒すことになる。
四、一般プレイヤー向けの移植版
全部を真似るな。一本だけでいい。フラッシュが弾けたら、最初のピークは二発だけ撃って横にずれる。この二発は通行料で、相手のクロスヘアが流れる一瞬を買っている。本当にキルを取るのは二拍目だ。味方がついてくれば、だが。ついてこないなら、この二発は純粋な損失だ。
フラッシュピークの本質は「速さ」じゃない。「相手に先に選択問題を解かせる」ことだ。MOUZは偽の選択肢を出し、Falconsは制限時間付きの選択肢を出す。どちらを出すかは、味方の二拍目が間に合うかで決まる。間に合わないならFalconsを真似るな。それは命で税を徴収することだ。